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「どうしてシャケって名前なんですか」とよく訊かれるんですが、好きだからです。単純です。でもホッケも好きです。こんばんは、あなたの時田シャケです。
姫林檎本編のゲーム共々、原作/シナリオを担当させていただきました。よろしくお願いいたします。


今回のコラム、ヨアヒム役の松本さんから「キャスティングの理由を知りたい」とのリクエストを頂戴しましたので、お答えしたいと思います。同時に、キャラクターについてもご紹介させていただきます。しばしおつきあいください。


片瀬真琴

まずトップバッターは、主人公の片瀬真琴ちゃん。
ゲームでは彼女にご自分を投影されるプレイヤーさんが多いと思いますので、女の子に愛されるキャラクターを目指しました。
可愛がって頂けている……でしょうか。
現時点で真琴を気に入ってくださっている方がいらしたら、それは真琴の声を担当してくださった矢口アサミさんのお力に他なりません。
気配り上手でちょっぴり食いしん坊、明るく元気な真琴は、他の乙女ゲームのヒロインと比べると、女の子女の子していない主人公です。
最近の言い方に直すと、女子力が高くないといいますか。
……そうなんです。ポイントは女子力です。
真琴が履いているのは、スカートではなくホットパンツです。
それはそれで絶対領域が……と言いたいのを、ここはグッと我慢しまして。
つまり、スカートを履くことにちょっと抵抗がある女の子、なのですね。
花が咲くのはこれからなのです。
そして、そんな真琴と矢口さんご自身のイメージは、まさにピッタリ重なるのです。
中身はめちゃくちゃ乙女なのに、スカートを履くのを恥ずかしがっている女の子。
矢口さんご自身は、真琴役は河原木さんとお考えのようでしたが、こんなに真琴らしい方がいるのに起用しないわけにはいきませんよね。
真琴の可愛さは、そのまま矢口さんの可愛さなのです。


白雪姫

姫林檎は『白雪姫の物語に主人公が入り込んでしまうお話』ですが、主人公=白雪姫、ではありません。
このお話での白雪姫は、主人公のお友達ポジションです。
知らない世界でも真琴が楽しく暮らせるのは、白雪姫という同世代の女友達がいるからです。
いくらイイ男達に囲まれていても、女の子の友達とうまくいかなかったら、毎日笑っては過ごせませんよね。
そして絶世の美女である白雪姫が側にいるのに、何故か男共は真琴の方に気が向くのです。
もちろんそこには彼らなりの理由があるのですが。
それにしたって、絶世の美女ですよ!
もったいないことこの上ない。
しかも生粋のお姫様ですし、女子力高いです。
そんな誰もが憧れる、生まれながらのお姫様・白雪姫を演じられるのは、やっぱり河原木志穂さんしかいないでしょう。
今回は敢えてキャストの皆様に『今までに演じたことのない役』をお願いしているのですが、一方で安定した鉄板の存在が欲しかったのも確かです。
河原木さんの堂に入ったお姫様っぷりが、このドラマCDの根底を支えてくれました。
直球ど真ん中の定番をバシッと演じきるのは、実はとても難しいのではないかと思います。
可憐なお姫様に拍手です!


レナーテ

さて、もうひとりの女の子、レナーテ。
今回のドラマCDのための、新しいキャラクターです。
ドラマCD用のストーリーを考えたときに、大まかな立ち位置と役割は設定しましたが、キャラクター性やデザインは高口幸子さんの声とお芝居に合わせて作りました。
つまり、アテ書きです。
とにかく何十回、何百回と高口さんのお声を繰り返し聴き、そこから溢れ出るイメージを形にして生まれたのが、レナーテです。
これが実に楽しくてですね! ……と、語り出したらキリがないので自重します。
河原木さんのお姫様ボイスに対し、高口さんは少し癖のある女の子を演じたら抜群の可愛らしさを発揮する役者さんだと、常々感じております。
その癖の部分を、レナーテでは存分に発揮していただけたのではないかと思います。
レナーテの癖の部分は、まだここでは明かせません。
レナーテ自身のことも、お話しできません。
けれど、レナーテは、高口幸子さんという役者さんがいたから生まれたキャラクターだということは、ハッキリ言えます。
高口さんご自身も、とてもレナーテを可愛がってくださって、アフレコやレコーディングの際は、ずっとレナーテのイラストをそばに置いて演じてくださっていました。
演じてくださる方に愛していただける。
キャラクターとして、こんなに幸せなことはないと思います。
アテ書きの成果とレナーテ自身については、CDを聴いてくださった方だけのお楽しみということで。


はい、今回はここまで!
次回は男性キャラの出番です。
また長くなると思いますが、どうぞおつきあいください。